ソシャゲ考察 第二弾
ソシャゲ考察 第二弾
iPhoneで遊べるソーシャルゲームのみを対象としています。
◆目的
ソーシャルゲームを調査することで、新しいゲームの形を見出すため。
◆調査したソーシャルゲーム
パズル&ドラゴンズ
ダークサマナー
拡散性ミリオンアーサー
gree
ビーストクロニクル
REKI-DAMA
聖剣デュランダル
mobage
大召喚!!マジゲート
大進撃!!ドラゴン騎士団
逆襲のファンタジカ
pokerabo
三国インフィニティ
運命のクランバトル
◆世代について
ソーシャルゲームの動向を見ていて現在は確実に「第二世代」に入っていると思われます。
「第一世代」はいわゆる「怪盗ロワイヤル」を筆頭としたガラケーでヒットした形。
「第二世代」はそこへ「ゲーム性」を取り入れたスマートフォン対応した形。
以降、内容に「第一世代」「第二世代」というワードが出てくるときは上記のことを意味します。
この区分けは筆者が勝手に定義、呼称しているものです。
◆パズル&ドラゴンズ
前回の記事にも載せましたが、第二世代のソシャゲの草分け的存在です。
それでいて現在、一番勢いのあるゲームでもあります。
今回パズル&ドラゴンズ(以後、パズドラ)の魅力というより成功要因の1つをあげたいと思います。
それは「AppBank」を取り込んだことにあります。
取り込むというと言葉が悪いかもしれませんが、AppBankはパズドラに魅了されて多くの社員が遊び倒してます。
さらには攻略データベースまで作り、いわゆる2chwiki系の攻略サイトより読みやすく、初心者も楽しめるものになってます。
究極攻略データベース
http://pd.appbank.net/
ソーシャル性は他ゲームに比べて決して高くないのですが、ゲームとしての魅力が高いので多くの人に楽しまれている。
イベントや更新も欠かさず、常に良くしていこうとする姿勢も見て取れることが成功要因であると思われます。
ただ、正直なところゲームの難易度は高いです。
これまでのソーシャルゲームユーザーでは難しくてついていけないのではと思うときもあります。
それでもガンホーさんにはパズドラのような第二世代型ソーシャルゲームをどんどん発表していってもらいたいと願っています。
◆ダークサマナー
こちらも前回の記事に載せました第二世代型のソシャゲです。
パズル&ドラゴンズ、拡散性ミリオンアーサー、ダークサマナー。
この3本がトップセールスの1位~3位を独占しているといって過言ではないでしょう。
今回注目したいのはダークサマナーの「イベントの多様さ」です。
特にログインボーナス、つまりアプリを起動した直後にユーザへアイテムをプレゼントする点です。
ログインボーナスでミニゲーム的イベントを発生させることで、ただ配るのではなくて「楽しませて配る」方法をとっています。
たとえば、毎日ログインでスタンプを集めるとボーナスがもらえるなどはどこのソシャゲでもやっています。
しかし、ダークサマナーは「神経衰弱」や「ビンゴ」をするとボーナスがもらえるというイベントをしていました。
すると毎日ログインであれば5日後でなければもらえないようなアイテムを、運が良ければすぐもらえる形にすることでユーザをひきつけます。
それ目当てでついついログインしてしまうことが自分も多々ありました。
2012/6/21現在ではカードの絵柄でどっちが好きかという投票を行っています。これもまた他には見ないログインボーナスです。
さらに以前、ユーザに向けてアンケートを実施するなど、イベントづくりに余念がありません。
ベースのゲームとしては「第一世代」を抜けているとは言い難いのですが、この多様なイベントこそダークサマナーの魅力です。
これは運営の方々の努力によるもので、本当に頭が下がります。
個人的にはこれでテーマがもっと天国的だったらと悔やまれますが、ゲーム開始当初のフックは「ダークさ」であったので仕方ないでしょう。
これからも素晴らしいイベントの数々を期待しております。
◆拡散性ミリオンアーサー
スクエニ初のソーシャルゲームとして世の中を馳せていたのですが、最近勢いが落ちていました。
売りであるはずのカードバトルの遊びにくさ。そして同じイベントの繰り返し、目立つ不手際。
第一世代をよく研究してあるゲームですが、第二世代とはいい難いものでした。
しかし、ついに大幅なアップデートが行われ、売りであるカードバトルが遊びやすくなりました!
最大12枚選べるカードを3枚1組、4つのグループに分けてセットします。
このグループはバトル時に使うカードで、以前はランダムに3枚選ばれていたのが、自分で選んだ3枚が使われるようになります。
よって、このグループの分け方によって戦況が大きく変わります。
たとえば、第一グループはもっとも戦闘力の高いカードを集め、第二グループは回復系、そして第三グループはまた戦闘力の高いカード……と、いうようにバトルをコントロールできます。
以前からあった「コンボ」(カードの組み合わせにより発動するスキル)も、デッキ画面でよりわかりやすくなりました。
これでようやく第二世代型ソーシャルゲームと言っていいと思います。
現在は「fate/zero」とのコラボ企画も開催されていますので、fateファンは楽しめるはずです。(僕がfateを知らないのであまり楽しめていませんが……)
それでも、UIについては改善の余地はありそうですし、カードゲームを生かしたイベントなどを行わないとすぐ廃れると思われます。
とても丁寧な作りであるだけに、今後の運営側の対応に期待したいと思います。
あと、カードの絵柄はセクシーな美少女絵柄が目立ち、これも売りの一つとなっております。
◆ビーストクロニクル
ここからはGREEさんから出ているソーシャルゲームです。
GREEさんから出ているソーシャルゲームは第一世代からあまり進化していません。
しかし、どのようなソーシャルゲームも1つ「売り」があります。
その点をピックアップしたいと思います。
ビーストクロニクルは最近やたら多い「美少女絵柄カードゲーム」です。
しかも「ちょっとセクシーな美少女の絵柄」です。「美少女絵柄」であれば、どこでもセクシーなんですけどね。
これが「売り」です。
最近はよくある形なのですが、10枚カードを選んで他ユーザとバトルすることもできます。
そのときカードの持っているスキルが発動すると、バトルを有利に展開できます。
イベントは「特別なクエスト」をこなしてカードを手に入れるか、特別なボスと戦うかの2択です。
……書いていてそんなに珍しくもないゲームだと気付きました(汗)
ただ、個人的にこのゲームで評価したいのは「サクサク感」です。
wi-fi限定ですが、他のソシャゲと比べて処理が早い気がします。
クエストを遊ぶ時もボタン連打でちゃんと進みます。ほかのソシャゲだとウェイトが入るのでそうはいきません。
ほぼ第一世代のゲームですが、たまにプレイするのは処理が早いからだったようですw
何らかのテコ入れがないと今年中には消えてしまう気がしています。
◆REKI-DAMA
GREEさんのソシャゲでは一番好きです。
とりあえず「美少女絵柄カードゲーム」です。他のゲームより露骨ではないと思います。
「売り」は3on3のカードバトルです。
3on3と表現しましたが、3列4行のマスに全部で10枚のカードをセットできます。
各列ごとにバトルするので、3on3と表現しました。
また、各列は前衛と後衛があり、カードのタイプによってセットする位置によりパワーアップします。
さらにカードごとのスキルが確率で発動し、最終的にパワーが大きいほうが勝利します。
それを3回繰り返し、2回以上勝利すると最終的な勝利を得ることができます。
どの列を強くするか、どのスキルを活用するかなど戦略性もあり、バトルが楽しいソシャゲとなっています。
イベントはそのバトルを中心に行うものと、カードを育てる2パターンです。
他にも過去にはあったかもしれませんが、僕はまだ未経験です。
他のゲームに比べてカードのレベルが上がりやすいように思います。
無課金ですが、そこそこレベルMAXのカードもありますので、遊びやすい部類に入ると思います。
今後のイベントに期待です。
◆聖剣デュランダル
いろいろと複雑なソシャゲです。
「美少女絵柄カードゲーム」ですが、キャラクター同士を合成はしません。
キャラクターに経験値の入るカード(食べ物)を与えるとレベルが上がります。
また、進化ポイントが入るカードを与えるとキャラクターが進化します。
さらにこれが「売り」になると思いますが、召喚獣がいます。
召喚獣はキャラクターカードを奉納することでポイントがたまり、各召喚獣と契約することができます。
召喚獣はバトルで呼び出すことで、さまざまな効果を発揮します。
イベントはクエストでボスを倒すとコンプアイテムが手に入り、コンプするとカードが手に入ります。
無課金ではカードが手に入りにくいので遊びにくいところです。
いろいろとアイデアがつまっているので、がんばっているとは思いますが、いま一つ感がぬぐえません。
◆大召喚!!マジゲート
ここからmobageさんのソシャゲです。
GREEさんと比べてmobageさんのソシャゲのほうが第二世代に近い印象があります。
「カードゲーム」ですが必ずしも「美少女絵柄」ではありません。
「売り」は13枚のカードデッキを使ったバトルです。
トランプの数字(A~K)をモチーフにしており、各カードにも数字が割り振られています。
デッキもまたトランプの数字と対応しており、カードに「A」と割り振られていたら「A」のところにしかセットできません。
また、属性やスキルが同じカードを3枚以上デッキに入れると「スキル」ができあがります。
このスキルをたくさん発動させると、バトルで有利になります。
このゲームは作りが丁寧なので、演出を見ているだけでも楽しめます。
内容は第二世代とまではいかないのですが、デッキの組み方に幅があるのは第二世代的な面白さがあります。
カードは集まるのですが、レベルがあがりにくく、また同じカードを組み合わせると最大レベルがあがるので合成に躊躇してしまいます。
また、丁寧な作りのためデータが重く読み込み時間がかかるので、その点で少し遊びにくいと感じます。
◆大進撃!!ドラゴン騎士団
マジゲートと同じ会社が作っているソシャゲです。
こちらは面白みのない第一世代よりのゲームです。
カードを手に入れる仕組みが「スロット」や「ポーカー」になってます。
バトルは5枚のカードを選んで、戦闘力の大きいほうが勝ちです。
作りが丁寧ですが、あまり特筆すべき点のないゲームです。
スロットやポーカーをモチーフにすると「ギャンブル性」が濃くなるので、いい方法とは思えません。
ユーザー数は150万人を超えたということなので、まだしばらくは消えないと思います。
ただ、面白いかといわれると。。。という感じです。
◆逆襲のファンタジカ
mobageさんのゲームで一番好きなゲームです。
タワーディフェンスとソーシャルゲームを組み合わせたゲームです。
これは確実に第二世代型ソーシャルゲームです。
クエストがタワーディフェンスゲームになっており、手に入れたカード=ユニットを配置してすべてのモンスターを倒します。
ユニットの数が豊富で、タワーディフェンスとしても普通に面白いです。
しかし単調すぎるせいか、いまいち盛り上がっていません。
また強力なカードも手に入りにくいので、無課金ではつらいものもあります。
せっかくの売りであるタワーディフェンスの部分に、もう少しひねりがあれば化けると思っています。
全体的に雰囲気がファイナルファンタジータクティクスを想起させます。
最近はカードの絵柄を今風に変えて変革を図っているようですが、それよりもゲームをパワーアップさせてほしいです。
◆三国インフィニティ
poketlaboさんのゲームが増えてきました。
なぜ売れているのか個人的には悩むものがあります。
「美少女絵柄カードゲーム」です。
第一世代型としかいいようのない単調な作りで、バトルシステムもありがちな5枚のカードを組み合わせるものです。
戦国幻想曲とモンスターパラダイスというゲームも作っています。
最近はトップセールスの上位にもきています。
無課金では非常に遊びにくく、カードも手に入りませんのですぐ飽きます。
ただBGMは好きです。外で遊んでいる分にはまったく聞かないBGMですが、その点は評価できるゲームです。
クエストではボタンをタップすると攻撃エフェクトが入って敵を倒します。このあたりが少しドラクエ調かもしれません。
ソーシャル性という点では掲示板やトレードなどが豊富なので、フレンド同士の繋がりを強くできるのが「売り」かもしれません。
◆運命のクランバトル
poletlaboとSEGAのゲームです。
こちらは第二世代型と呼んでいいものに仕上がっています。
基本は「美少女絵柄カードゲーム」です。
売りは「クランバトル」と呼ばれるもので、1日4回行われるクラン同士のバトルです。
プレイヤーは必ずクランに所属します(または自分で作る)
バトルはデッキに10枚のカードをセットするのですが、クランバトル時にセットしたカードを「投げ入れる」ことで戦います。
また、カードを同時に投げ入れることで「スキル」が発動してバトルを有利に進めることができます。
この「投げ入れる」行為が新しいと思います。
ただ、売りとなるクランバトルが決まった時間しか行えないので、少々遊びにくいと思いました。
あとカードにはキャラクターの一言がついている(これはどのゲームでも同じ)のですが、その内容が「幼児語」すぎるものが多くユーザーをバカにしているのかと思う時がありますw
はじまったばかりなので、これからイベントなどを重ねて成長していってほしいと思います。
◆総評
第二世代型のソーシャルゲームは増えてきましたが、パズドラだけが成功しているといえるでしょう。
ミリオンアーサーはやっと第二世代的になってきましたが、基本は第一世代のアドバンス版です。
そして売れているトップセールスに入っているソーシャルゲームのほとんどが「美少女絵柄カードゲーム」です。
エロは市場を拡大させます。
その拡大した市場をどうしていくのかが、今後の課題となっていくのではないでしょうか。
そしてこのまま「美少女絵柄カードゲーム」しか売れないのであれば、2、3年で日本のiPhoneゲーム市場は成長を止めるでしょう。
もっと夢のあるゲーム、もっと多くの人が楽しめるゲームが広がっていき、エロは一定の割合として残りつつも、正常なゲームがトップセールスを埋めていくことを願ってやみません。
また最近は「事前登録」というシステムが流行っているようです。
サービスイン前にユーザを捕まえておくことでサーバの台数などを見積もるのでしょうか。
ユーザ側には事前登録をしているとボーナスがあるように仕掛けています。
この事前登録はpoketlaboさんが積極的にすすめているようです。
次に期待しているソーシャルゲーム「夕暮れのバルキリーズ」(mobage)も事前登録を呼びかけているようです。
ジョブズは「シンプル」で「クレイジー」なものを好みました。
日本のソーシャルゲームはある意味でそれを満たしています。
しかし、もっと何かあるはずだと信じて、自分もまたアプリを開発できればと思っております。
◆追記
てか、通信環境がないとまともに遊べないゲームってどうなんだと。
もし自分がソーシャルゲームを作るなら通信のタイミングを考えて、基本はオフラインでも遊べるようにするけど。
いちいち通信が切れて遊べなくなるとかナンセンスだとは思わないんですかね。ほんとに。
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